生活保護受給者が住める家
生活保護を受給すると住む家にも制限がかかります。
家賃が高すぎる場合は引っ越しをしなければなりません。
家賃の上限
生活保護費の中には住宅扶助というものがあります。
これは言わば家賃の補助で、この額を超える家賃の物件に住む事はできません。
ちなみにあくまで家賃なので、共益費・管理費等は含みません。
金額は地域と世帯人数によって決まります。
私の場合は単身で大体40,000円ぐらいです。
元々家賃70,000円ほどの物件に住んでいたので、引っ越しを指示されました。
役所から物件の紹介等は無いので、上限額以内の物件を自分で探す必要があります。
ちなみに仮に住宅扶助の上限が50,000円だった場合、家賃30,000円の物件に入居すると住宅扶助は30,000円しか支給されません。
家賃の安い物件に引っ越して節約するという事はできないので、なるべく上限額ギリギリの物件を探すのが良いと思います。
持ち家に住んでいて資産価値が無い(売らなくてよい)と認められた場合はその家に住み続ける事ができますが、住宅扶助は支給されません。
物件探しは大変
これが非常に苦労しました。
まず家賃の上限がある事でかなり選択肢は限られます。
と言っても、古いボロボロのアパートしか借りられないというほどの上限額ではないです。
探せばきれいで便利な物件も見つかるでしょう。
中には生活保護受給者は契約不可の物件もありますが、OKのところが多いです。
「生活保護=毎月決まった額の収入がある」という事ですから、これは毎月家賃が払える安定した収入があると言えるからです。
ただし、不動産屋には生活保護の受給理由を必ず聞かれます。
受給理由が精神病の場合は断られる物件が非常に多いです。
私自身が「うつ病」を理由に生活保護を受給しているため、これが原因で苦戦しました。
「過去に大声で奇声を上げる人がいた」とか、そういったイメージがあるから等の理由です。
最初のメールや電話での問い合わせで断られる事が多かったので、
「本当はコロナで仕事が無くなったのが原因なんだけど、保護受給のためにうつ病って診断書書いて貰ったんすよー」
みたいな言い訳をしてみたりもしました。
色んな不動産屋をめぐって何とかかんとか理解のある大家さんに巡り合えて無事良い物件に引っ越しができました。
大体の不動産屋さんは生活保護受給者の契約も数多く取り扱ってきているプロですので、管理費の調整等は割と都合に合わせてやってくれる物件は多いです。
上述の通り住宅扶助上限50,000円で家賃3万円の物件に住んでも30,000円しか支給されません。
ですので、例えば「家賃45,000円 管理費8,000円」を「家賃50,000円 管理費3,000円」にして住宅扶助が満額支給されるようにしてくれたり、
「家賃52,000円 管理費5,000円」で上限を超える物件でも「家賃50,000 管理費7,000円」にして住めるようにしてくれたり、その辺は臨機応変にやってくれるところが多いです。
ただし共益費や管理費は自己負担になりますし、あまりにも高すぎる等の場合は役所からNGが出る事もあるようです。
引っ越し代金は支給される
引っ越しに関わる代金は基本的に支給されます。
物件の初期費用については敷金は支給されますが、礼金は支給されません。
そのため基本的には敷金礼金ゼロの物件を探す事になると思います。
その他仲介手数料や鍵の交換代、クリーニング代なども支給されないので自己負担になります。
不動産屋さんもその辺は理解されてるので、敷金ゼロ物件で仲介手数料を敷金扱いにするなどしてなるべく負担を抑えるようにしてくれるところが多いです。
ただし初期費用は支給されるのに日数がかかるのでそこは注意が必要です。
物件契約時に初月の家賃も請求される場合がほとんどですが、これも前もって支給される事は無いです。
引っ越し業者に関しては役所から直接業者に支払われます。
荷造りや荷解きをやってくれる等色々オプションがありますが、エアコンの付け外し以外のオプションは一切認められず一番安いプランに限定されます。
そして3社から見積もり取って、一番安い業者を役所が指定します。
ちなみにこれらの費用が支給されるのは、あくまで理由が認められた場合の引っ越しに関してのみです。
例えば今住んでいる物件の家賃が高すぎる、世帯人数が変わった等の場合で、自己都合での引っ越しの場合は全額自己負担になります。
まとめ
引っ越しはただでさえ大変ですが、生活保護受給者となれば色んな制約がかかってさらに大変です。
私は受給開始時点では住宅扶助の上限を超えた物件に住んでいたので、その分の負担もきつかったです。
要するに早く引っ越ししないと上限を超えた分の家賃を自己負担しないといけないのでその分生活が苦しくなるという事です。
ですが上述の通り入居可能な物件が限られるのでなかなか引っ越しが決まらず…と苦労しました。
生活保護の申請を考えている方は早めに部屋探しをしたほうが良いと思います。